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YAMAHA「MT-09 Y-AMT」登場!次世代トランスミッション「Y-AMT」搭載年内発売!(2024年7月26日)

YAMAHA MT-09-Y-AMT

1新車情報

クラッチ操作とシフト操作を自動で行なう、新世代のトランスミッション「Y-AMT」を搭載した「MT-09 Y-AMT」が欧州と日本で発表!国内仕様は年内発売予定で、今後も「MT-09」以外にもY-AMT搭載車のラインアップを増やしていく予定!

 

ヤマハがMTとATの技術を融合させる研究に着手したのは、1990年代後半のことです。
当時、すでに四輪車の世界ではAT車の普及が進んでおり、ドライバーが自分のタイミングでギアを変更できるセミAT機構も発展していました。その流れを受けて、二輪車市場でも同様の技術が求められるようになると予測し、2000年代初頭に本格的な開発がスタートしました。

■クラッチ操作とシフト操作を自動で行なう「Y-AMT」

「Y-AMT」とは「YAMAHA AUTOMATED MANUAL TRANSMISSION」の略。
MT変速機構に、シフト操作を行うシフトアクチェーター、クラッチ操作を行うクラッチアクチュエーターなどを搭載したのが、「Y-AMT」の基本となる構成。

 
通常のマニュアルトランスミッションに、クラッチ操作とシフト操作をモーターを使ったアクチュエーターがライダーの代わりに操作することで、ATモードとMTモードを実現したトランスミッションです。
機構的には、通常のマニュアルトランスミッション車にクラッチ操作用とシフトチェンジ用の2つのアクチュエーターと、制御するためのコンピューター(MCU)を追加する構造。

「Y-AMT」とは「YAMAHA AUTOMATED MANUAL TRANSMISSION」の略

クラッチレバーがないので、AT限定の大型自動二輪免許で乗れます。
ハンドル右側のAT/MTスイッチ操作によりマニュアルトランスミッション(MT)モードに加え、自動でギアシフトを行うオートマチックトランスミッション(AT)モードも搭載する。
MTモードでは、手動でクラッチレバーを操作することなく、ワンタッチで高速かつ正確なギアシフトが可能。

■2種類のATモードとMTモードで状況に応じて楽しめる

アクチュエーターから伸びた短いロッドを介してクラッチのレリーズを操作

Y-AMTにはATモードと自分のタイミングでシフト操作が可能なMTモードが用意されていて、ATモードは通常の「D」モードに加えて「D+」モードも用意されています。これはシフトアップのタイミングをより高回転とし、シャープなレスポンスも追求したモードで、シフト操作をせずともスポーティに走れるモードです。

 
ライダーはシフト操作を左スイッチボックスに追加された「+」「-」のシフトレバーを介して、指先ひとつでシフト操作を完了できるので、シフト操作をすばやく行なうことが可能。ATモードであっても、シフトレバーを操作すれば、いつでもマニュアル操作が可能になっています。

アクチュエーターからつながるシフトロッドでミッション操作

アクチュエーターから伸びた短いロッドを介してクラッチのレリーズを操作する仕組みで、制御はMCUと呼ばれるコンピューターが行います。このロッドにはスプリングが内蔵され、操作の前段階から蓄えた力をスプリングを使って解放することで、ロッドによるシフト操作をすばやく行えるよう工夫されていたりします。

■スマートキーも標準装備して年内国内発売予定!

上段左:ATモードとMTモードスイッチ、上段右:クラッチレバーがない、下段左:スマートキーシステム、下段右モード表示パネル

「MT-09」は、ものすごく高性能なバイクで、その性能をフルに使い切ることは、正直なかなか難しい。
初搭載車がMT-09だったのかは、ヤマハが開発の主眼とした「スポーティな走りの次元をもっと高める」というテーマを体現するのに、MT-09が最適と判断したから。

MT-09 Y-AMT

 
開発の目的がATモードやクラッチ操作が不要というイージーライドの魅力もありますが、それよりもスポーツランを積極的に楽しむのに使って欲しい、開発陣の強い思い入れが感じられます。「MT-09」というファンライドのスポーツバイクに「Y-AMT」というシステムを搭載することで、「MT-09」の世界観をさらに高めているのです。

 

左足のシフトペダルはなく、エンジンの後ろのスペースにはアクチュエーターとシフトロッドがカバーされてレイアウトされています。ライダーの意思に直結したすばやいシフト操作を狙ってのスイッチシフトなので、従来のMT車と同様のシフトペダルを装着する予定はないそうです。

 

MT-09SPに採用されたばかりのスマートキーシステムも搭載し、利便性も大きく高められました。
ヤマハはY-AMT搭載モデルをMT-09以外にも複数機種展開する予定なので、今後の展開とバリエーション拡大にも大いに期待できます。

■MT-09 Y-AMT  仕様諸元

・エンジン

 種類: 847cc 水冷4ストローク DOHC 4バルブ 直列3気筒
 ボア×ストローク: 78.0mm × 59.1mm
 圧縮比: 11.5:1
 燃料供給方式: 電子制御式燃料噴射装置
 最高出力: 115PS / 10,000rpm
 最大トルク: 87.5Nm / 8,500rpm
 始動方式: セルスターター
 潤滑方式: ウエットサンプ

・寸法・重量
 全長: 2,075mm
 全幅: 815mm
 全高: 1,120mm
 ホイールベース: 1,440mm
 シート高: 820mm
 乾燥重量: 188kg
 燃料タンク容量: 14リットル
 オイル容量: 3.4リットル

・シャーシ
 フレーム形式: ダイヤモンドフレーム
 サスペンション: フロント 41mm倒立式フォーク、リア リンク式モノショック
 ブレーキ: フロント デュアルディスク 298mm、リア シングルディスク 245mm
 タイヤサイズ: フロント 120/70ZR17、リア 180/55ZR17
 キャスター角: 25°
 トレール: 103mm

・電装系
 バッテリー: 12V 8.6Ah
 ヘッドライト: LED
 テールランプ: LED
 メーター: デジタルマルチファンクションメーター

・パフォーマンス
 最高速度: 約220km/h
 燃費: 22.2km/L(WMTCモード)
 加速性能: 0-100km/h 約3.5秒
 駆動方式: チェーン

これらの仕様は、MT-09 Y-AMT が持つパフォーマンスと信頼性を示すものであり、スポーツライディングやツーリングに最適な選択肢を提供します。

Posted by 夏木 陽