ヘルメットパーツ

オートバイ用ヘルメットは、ライダーの命を守るために精密に設計された安全装備です。
ヘルメットは「守る」だけでなく、「快適に走る」ための工夫が詰まった装備です。
ヘルメットの安全規格
安全規格:SG、PSC、SNELL、ECEなどの認証を取得しているか確認することが重要。
安全規格は「取得しているかどうか」だけでなく、「どんな走行スタイルに適しているか」が重要です。
例えば、街乗りならSG付きで十分ですが、サーキット走行ならFIMやSNELLが求められます。
- 公道走行用:日本国内では「PSCマーク」が必須。SGマークがあると安心。
- 高速、長距離ツーリング:JIS2種、ECE、SNELLなどの高性能規格がおすすめ。
- レース出場:MFJやFIMの公認規格が必要。
- 安全性重視:SNELLやECE 22.06は世界的に評価が高い。

| 規格名 | 国・地域 | 特徴・概要 |
|---|---|---|
| PSC (Product Safety of Consumer) | 日本 | 日本の法律「消費生活用製品安全法」に基づく義務規格。 取得していないと国内販売不可。 |
| SG (Safety Goods) | 日本 | 製品安全協会が定める任意規格。 取得製品には損害賠償制度(最大1億円)が付帯。 |
| JIS (Japanese Industrial Standards) | 日本 | 日本工業規格。衝撃吸収・貫通・あご紐強度などを試験。 125cc以下用と排気量無制限用の2種あり。 |
| SNELL (Snell Memorial Foundation) | 米国 | 非営利団体による非常に厳格な任意規格。 レーシング向け。5年ごとに更新(例:M2020)。 |
| DOT (Department of Transportation) | 米国 | 米国政府が定める法的義務規格。 FMVSS 218に準拠。最低限の安全基準。 |
| ECE 22.06 (Economic Commission for Europe) | 欧州 | 国連欧州経済委員会が定める国際規格。 50か国以上で採用。衝撃・貫通・環境耐久など多角的試験。 |
| FIM (Fédération Internationale de Motocyclisme) | 国際 | MotoGPなどの国際レース出場に必須。 ECEやSNELLの上位互換的な厳格規格。 |
| MFJ (Motorcycle Federation of Japan) | 日本 | 日本のレース出場に必要な公認規格。 FIM・SNELL・JIS2種のいずれか取得が条件。 |
| SHARP (Safety Helmet Assessment and Rating Programme) | 英国 | 英国政府による評価制度。 市販品を独自にテストし、5段階評価で公開。規格ではなく「性能評価」。 |
オンロードヘルメットの主な構成パーツと機能

オンロードヘルメット(特にフルフェイス型)は、高速走行や長距離ツーリングに対応するため、安全性・快適性・静粛性を重視した設計になっています。
長時間・高速走行でも快適に使えるよう、細部まで工夫された設計がされています。
| パーツ名 | 機能と特徴 |
|---|---|
| シェル(外殻) | 衝撃を受け止める最外層。FRP・カーボン・ポリカーボネートなどの高強度素材で構成。 |
| インナーライナー(衝撃吸収材) | EPS(発泡ポリスチレン)などで構成され、衝撃を吸収して頭部へのダメージを軽減。 |
| シールド(バイザー) | 風・雨・虫・飛び石などから顔を保護。UVカット・曇り止め・広視野設計などの機能付きが多い。 |
| インナーバイザー | 内蔵型サングラス。眩しさを軽減し、ワンタッチで上下可能。昼夜の切り替えに便利。 |
| ベンチレーション(通気孔) | ヘルメット内の熱や湿気を逃がし、快適性を向上。頭頂部・口元・後頭部などに配置。 |
| 内装パッド(ライナー) | フィット感と快適性を向上。抗菌・防臭・吸汗速乾素材で、取り外して洗濯可能なモデルが多い。 |
| スピーカーホール | インカムのスピーカーを設置するためのスペース。ツーリング時の通信に便利。 |
| 眼鏡スリット | 眼鏡使用者向けに、テンプル(つる)が通りやすい構造。快適な装着感を実現。 |
| 空力スポイラー | 高速走行時の風の流れを整え、ヘルメットの安定性と静粛性を向上。疲労軽減にも効果あり。 |
| チンカーテン | 顎下からの風の侵入を防ぎ、風切り音や寒さを軽減。静粛性を高めるパーツ。 |
| ストラップ(あご紐) | ヘルメットをしっかり固定。Dリング式(安全性重視)やラチェット式(着脱簡単)などがある。 |
| クイックリリースシステム | 事故時に第三者が素早くヘルメットを脱がせるための機構。一部の高級モデルに搭載。 |
- シェル素材:軽量かつ高強度な素材が使われ、安全性と快適性を両立。高級モデルではカーボンや複合素材が採用されることも。
オフロードヘルメットの主な構成パーツと機能

オフロードヘルメットは、過酷な自然環境でのライディングに対応するため、独自の構造とパーツで設計されています。
オフロードヘルメットは「守る」「快適」「視界確保」の3要素が絶妙に組み合わさった設計です。
もし、どのパーツが自分にとって重要かがわかれば、ヘルメット選びもぐっと楽になります!
| パーツ名 | 機能と特徴 |
|---|---|
| シェル(外殻) | 衝撃を受け止める最外層。軽量かつ高強度な素材(FRP、カーボン、ポリカなど)を使用。 |
| インナーライナー(衝撃吸収材) | 衝撃を吸収し、頭部へのダメージを軽減。EPS(発泡ポリスチレン)が一般的。 |
| バイザー(ひさし) | 日差しや泥・小石などの飛来物を防ぐ。顔を少し下げるだけで視界を守れる。 |
| チンガード(顎部) | 呼吸しやすく、転倒時に顎を保護。前方に突き出た形状で通気性も高い。 |
| ベンチレーション(通気孔) | ヘルメット内部の熱や湿気を逃がし、快適性を向上。運動量の多いオフロード走行に必須。 |
| ゴーグル開口部 | ゴーグル装着を前提とした広い開口部。視界の確保と目の保護を両立。 |
| 内装パッド(ライナー) | フィット感と快適性を向上。吸汗速乾素材で、取り外して洗濯可能なモデルが多い。 |
| ストラップ(あご紐) | ヘルメットをしっかり固定。Dリング式やワンタッチ式などがあり、安全性に直結。 |
補足:素材と設計のこだわり
- シェル素材:軽量性と耐衝撃性を両立するため、複合素材が使われる。高級モデルではカーボンやグラスファイバーが採用されることも。
- 衝撃吸収構造:一部ブランドではMIPS(多方向衝撃保護システム)などの先進技術を搭載。回転衝撃にも対応し、脳へのダメージを軽減。
- フィット感の調整:内装パッドの厚みや形状を調整できるモデルもあり、個々の頭の形に合わせてカスタマイズ可能。


















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































