スポークホイール

オートバイのスポークホイールは、クラシックな外観と高い衝撃吸収性を持つ構造で、特にオフロードやアドベンチャーバイクに多く採用されています。
スポークホイールは見た目だけでなく、走行性能にも大きく関わるパーツです。
以下にその構造と特徴を詳しく解説します。
スポークホイールの構造

基本構成
- ハブ:ホイールの中心部。車軸と接続され、回転の中心となる。
- リム:タイヤを取り付ける外周部。
- スポーク:ハブとリムを繋ぐ細い金属棒。通常はステンレスやスチール製。
- ニップル:スポークの端にある部品で、リム側でスポークの張力を調整する。
組み方の種類
- ラジアル組:スポークが交差せず、ハブから放射状にリムへ接続。軽量だがトルク伝達には不向き。
- タンジェント組(クロス組):スポークが交差しながらリムへ接続。トルク伝達と衝撃吸収性に優れる。
- 2クロス、3クロス、4クロスなど、交差の回数によって分類される。
構造の特徴とメリット

- 衝撃吸収性が高い:スポークがしなることで、路面からの衝撃を吸収しやすい。
- 柔軟性がある:リムが変形してもスポークの張力で形状を保てる。
- 修理・交換が容易:スポーク1本単位で交換可能。
- クラシックな外観:レトロなデザインにマッチし、カスタムにも人気。
デメリットと注意点

- 重量がある:見た目に反してキャストホイールより重い場合もある。
- メンテナンスが必要:スポークの張り具合を定期的に調整しないと、振動や故障の原因になる。
- チューブタイヤが基本:チューブレスタイヤには対応しにくいが、最近はチューブレス対応のスポークホイールも登場。
採用される車種と用途

- オフロードバイク:CRF250Lなど、悪路走行に強いモデル。
- クラシックバイク:カワサキW800など、レトロスタイルを重視するモデル。
- アドベンチャーバイク:オプションでスポークホイールを選べることもある。
まとめ
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 衝撃吸収性 | 高く、オフロードに最適 |
| メンテナンス性 | スポークの張り調整が必要 |
| デザイン性 | クラシックでレトロな雰囲気を演出 |
| 重量 | キャストホイールより重い場合もある |
| 修理のしやすさ | 部品単位で交換可能 |
スポークホイール主要ブランド
耐久性・性能・デザイン性に優れたメーカーがいくつかあります。
ここでは、世界的に評価されている2つの代表的ブランドを紹介します。
1. Excel(エクセル)リム – 日本製スポークホイールの代名詞

概要
- 製造元:株式会社タカサゴ工業
- 拠点:静岡県浜松市
- 主力製品:Excel Rimシリーズ
特徴
- 高強度アルミリムを採用し、軽量かつ耐久性に優れる
- モトクロス、エンデューロ、スーパーモトなど競技用バイクに広く採用
- 世界中のプロライダーやメーカーが純正採用する信頼性
- A60リムやTakasago Excelなど、用途別に複数ラインアップ
用途
- オフロード競技(MXGP、AMAなど)
- アドベンチャーバイクのカスタム
- 高性能スポークホイールのアップグレード
2. Borrani(ボラーニ) – イタリアの伝統と芸術性

概要
- 創業:1922年
- 拠点:イタリア・ミラノ
- 主力製品:Borrani Wire Wheels
特徴
- クラシックバイクやヴィンテージ車向けの高級スポークホイール
- ステンレススポークとアルミリムの組み合わせによる美しい仕上げ
- フェラーリやMVアグスタなど、歴史的名車に純正採用された実績
- 手作業による組み立てと調整で、芸術品のような品質
用途
- クラシックバイクのレストア
- ヴィンテージレース車両
- 高級カスタムバイク
比較表
| ブランド | 国籍 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Excel | 日本 | オフロード・競技用 | 高強度・軽量・信頼性 |
| Borrani | イタリア | クラシック・高級車用 | 芸術的仕上げ・歴史的実績 |


















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































