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制動系

制動系
画像はイメージです。

2025年10月24日

オートバイの「制動」とは、バイクの速度を落としたり停止させたりするための機能全般を指します。

制動には複数の方式があり、それぞれ異なる仕組みと用途があります。

 

ここでは、機械式ブレーキ(油圧・ディスク・ドラム)、内燃エンジン(エンジンブレーキ)、そしてEVエンジン(回生ブレーキ)について詳しく解説します。

 

オートバイの制動の基本機能と種類

1.ブレーキの種類:ディスクブレーキとドラムブレーキの2種類が主流。

2.ディスクブレーキの特徴:高い制動力と熱耐性を持ち、スポーツバイクに多く採用。

3.ドラムブレーキの特徴:構造がシンプルで低コスト、小型バイクやスクーターに利用。

5.前後独立ブレーキ:前輪と後輪に独立した制動システムを搭載。

6.コンビブレーキシステム(CBS):前後ブレーキを同時に制御し、初心者にも扱いやすい。

7.アンチロックブレーキシステム(ABS):ブレーキロックを防ぎ、急制動時でも安定性を向上。

8.油圧式ブレーキ:ブレーキレバーの操作を油圧で伝達し、スムーズな制動を実現。

9.メカニカルブレーキ:ワイヤーケーブルを使用した簡易的な構造で、小型バイクに採用。

11.シングルディスクブレーキ:前輪または後輪に1枚のディスクを装備。

11.ダブルディスクブレーキ:高制動力を実現し、大型バイクやスポーツモデルに採用。

12.ブレーキパッド:摩擦材としてブレーキローターを押さえ、制動力を発生。

13.ブレーキローター:ディスクブレーキの一部で、放熱性を高める通気孔設計が多い。

14.ドラムシュー:ドラムブレーキ内部で摩擦を発生する部品。

15.エンジンブレーキ:システム外の制動方法として、減速時にエンジンを利用。

16.制動力の調整機能:前後ブレーキバランスの調整機能を持つ車種も存在。

17.軽量化:制動構造の軽量化により、ハンドリング性能に影響。

 

主な制動方式

制動方式概要主な用途
ディスクブレーキ(油圧式)レバーやペダル操作でブレーキキャリパーがディスクを挟み、摩擦で減速一般的な走行・停止
ドラムブレーキ内部のシューがドラムに押し付けられて摩擦を生む小型バイクや旧車
ABS
(アンチロック・ブレーキ・システム)
急ブレーキ時にタイヤのロックを防ぎ、安定した制動を実現高速走行・雨天時など
ディスク式
ドラム式
ABS

内燃エンジンの「エンジンブレーキ」の仕組みと用途

内燃エンジンブレーキ

仕組み

エンジンブレーキとは、アクセルを戻した際にエンジン内部の抵抗(ポンピングロスや摩擦)を利用して減速する方法です。

ギアを下げることでエンジン回転数が上がり、より強い制動力が得られます。

  • アクセルオフ → 燃料供給停止 → エンジンが抵抗として働く
  • ギアダウン → エンジン回転数上昇 → 制動力増加

用途とメリット

  • 長い下り坂:フットブレーキの負担を軽減し、フェード現象を防ぐ
  • カーブ手前:安定した減速でスムーズな旋回
  • 燃費向上:燃料カットによる省エネ効果
  • 安全性:ブレーキパッドの摩耗を抑える

EVバイクの「回生ブレーキ」の仕組みと用途

EVエンジン回生ブレーキ

仕組み

回生ブレーキは、減速時にタイヤの回転エネルギーをモーターで電力に変換し、バッテリーに再充電する仕組みです。

モーターが発電機として働き、抵抗力が制動力となります。

  • アクセルオフ → モーターが発電 → 回転抵抗で減速
  • 発電した電力 → バッテリーに蓄電 → 再利用可能

用途とメリット

  • 航続距離の延長:エネルギー回収により走行可能距離が伸びる
  • ブレーキパッドの寿命延長:摩擦ブレーキの使用頻度が減る
  • エコ走行:エネルギー効率の高い減速が可能
  • 協調ブレーキ:油圧ブレーキと併用して制動力を最適化

制動の使い分けと注意点

シーン推奨制動方法
市街地走行フロント・リアブレーキ中心、必要に応じてエンジンブレーキ
高速道路エンジンブレーキ+ABS併用で安全性向上
下り坂エンジンブレーキ(内燃)/回生ブレーキ(EV)を積極活用
雨天・滑りやすい路面ABS搭載車での制動が有効

制動技術は、バイクの安全性・快適性・環境性能に直結する重要な要素です。

内燃機関とEVでは制動の考え方が異なりますが、どちらも「減速を制御する」という目的は共通しています。

Posted by 夏木 陽