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電源(蓄電⇔発電)

電源系
電源は、バッテリー(蓄電)とオルタネーター(発電)の連携で維持されています。

2025年10月17日

電源パーツとして、バッテリーとオルタネーターは、どちらも重要なパーツですが、それぞれ異なる役割を持っています。

 

内燃エンジン型のオートバイの電源系統は、エンジンの始動やライト類、メーター、点火装置など多くの機能を支える重要なシステムです。

こうした電気系統の理解は、バッテリー上がりや発電不良といったトラブルの予防・対処にも役立ちます。

 

ここでは、電気の「発電機能」と「蓄電機能」を中心に、それぞれを担うパーツとその働きを詳しく解説します。

 

電源の全体像

電源維持の仕組みは、まず最初に停止状態から、バッテリーに蓄えられた電気のみでスターターモーターを回して、エンジンを起動させます。そして走行中にオルタネーターが発電を開始し、同時にバッテリーに送電して蓄電もします。バッテリーは走行中に稼働する、灯火類や計器類、制御機器などへの電源としても機能します。

走行中は常に発電し、常に蓄電し、常に送電消費する状態で、走行によってバッテリーの蓄電量を保つような仕組みです。

 

スターターモーター
  1. エンジン始動時:バッテリー スターターモーター → クランクシャフト回転。
  2. 走行中:オルタネーター レクチファイヤー レギュレーター バッテリー&電装品。
  3. 停止時:バッテリー ライト・メーターなど。

 

蓄電:バッテリーの役割

バッテリーで蓄電

主なパーツ:バッテリー(車載電池)

  • 役割
    • 電気を蓄えておき、必要なときに供給する。
    • エンジン始動時にスターターモーターへ電力を供給。
    • エンジン停止中でもライトやメーターなどに電力を供給可能。
  • 種類
    • 鉛バッテリー(従来型)
    • リチウムイオンバッテリー(軽量・高性能なモデルに採用)
  • 特徴
    • 自ら発電はできないため、走行中に充電される必要がある。

発電:ジェネレータシステム

オルタネーターで発電

発電の手順

  1. スターターモーターでエンジン始動後、クランクシャフトが回転。
  2. オルタネーターが回転運動を電気に変換(交流)。
  3. レクチファイヤーで直流に変換。
  4. レギュレーターで電圧を安定化。

主なジェネレータパーツとその働き

パーツ名役割詳細
オルタネーター(またはジェネレーター)発電エンジンのクランクシャフトの回転を利用して交流電力(AC)を発生させる。
レクチファイヤー(整流器)整流オルタネーターで発生した交流電力を直流電力(DC)に変換する。
レギュレーター(電圧調整器)電圧制御整流後の電圧を一定(通常約14.5V)に保ち、バッテリーや電装品を保護する。
スターターモーター始動補助バッテリーの電力でクランクシャフトを回し、エンジンを始動させる。
オルタネーター
オルタネーターのステーターコイル

1.オルタネーターの役割

 

 オルタネーターはエンジン回転中に発電を行い、バッテリーの充電や走行中の電装品への電力供給を行います

 

  • 発電: エンジンの動力を利用して発電し、車の電装品(ヘッドライト、エアコン、カーナビなど)に電力を供給します。
  • バッテリーの充電: 発電した電力をバッテリーに蓄電し、常にバッテリーが使える状態に保ちます。

※注:ダイナモとオルタネーターの主な違いは、発生する電流の種類です。

 ダイナモは直流を発生させる「直流発電機」であり、オルタネーターは交流を発生させる「交流発電機」です。

 オルタネーターは交流を整流器で直流に変換するため、低回転時でも効率よく発電でき、現代の自動車に広く採用されています。

 

 ダイナモ

  • 電流の種類:直流(DC)
  • 特徴:
    • 発電効率が低く、エンジン回転数が上がらないと十分に発電できない。
    • 古いタイプの発電機であり、現在ではほとんどの新車に搭載されていない。

 オルタネーター

  • 電流の種類:交流(AC)を発生させ、整流器で直流(DC)に変換する
  • 特徴:
    • 低回転時でも安定した発電が可能で、発電効率が高い。
    • 構造がシンプルで、高回転にも対応している。
    • 現在販売されているほとんどの自動車に搭載されている。

2.レクチファイヤーの役割

 

 発電機で発電された交流電気を、バッテリーの充電や電装品の点灯などに使われる直流電気に変換することです。

 現代の多くの車両では、電圧を安定させるレギュレーターと一体化されており、「レギュレーターレクチファイヤー」として機能しています。

 

3.レギュレーターの役割

 

 レギュレーターは、「圧力」や「電圧」などの「調整」と「安定」を主な役割とする装置です。

 

  • ガスや液体、圧縮空気の圧力を一定に保ったり、電子回路の電圧を安定させたりする役割を担います。
  • 機器の損傷や機能不全を防ぎ、安全かつ安定した動作を実現します。

4.スターターモーターの役割

 

  • エンジンのクランクシャフトを回転させ、エンジンが自力で動き出すためのきっかけを作る役割を担う重要な電装部品です。
  • バッテリーの電力を使って大きなトルクを発生させ、エンジンが動き出せる回転数に達するまでの間、エンジンの始動動作を補助します。

補足:電装品と電力消費

  • ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、メーター、ECU(電子制御ユニット)などが電力を消費。
  • 走行中はオルタネーターの発電でまかなわれるが、アイドリングや低速時はバッテリーの電力が頼りになることもあります。

Posted by 夏木 陽