排気系

排気系であるオートバイのエギゾーストやマフラーは、排気ガスを排出する重要な役割を持っています。
エギゾーストはエンジンから排出されるガスを効率的に排出し、マフラーはその排気音を抑制します。
また、エンジン性能の向上や燃費の改善にも寄与します。
排気系のマフラーには触媒コンバーターが内蔵されており、有害物質を減少させる環境対応も行います。
さらに、デザインや素材により、バイクの外観や重量に影響を与える要素もあります。
排気系エギゾーストマフラーの機能と特徴
- 排気系パフォーマンス向上:エンジンの排気効率を高めることで、パワーやトルクが向上。
- 車体重量軽減:軽量な素材を使用することで、全体の重量を軽減し、操作性が向上。
- 排気系サウンド:スポーティな音から静かな音まで、様々な音質を提供するモデルがある。
- 排気系ガス規制対応:環境規制に適合するための触媒コンバーターが内蔵されている。
- 高温耐熱性:高温に耐える耐熱素材が使用されており、長時間の走行でも性能が安定。
- 素材感:ステンレススチール、チタン、カーボンファイバーなど、軽量かつ耐久性のある素材が使用される。
- 洗練されたデザイン:カスタムデザインが施されており、車両の外観を引き立てる。
- ハイブランドバリエーション:多くのブランドが競争しており、様々な価格帯や性能のマフラーが提供されている。
これらの特徴が、オートバイのエギゾーストやマフラーを他の部品と区別するポイントです。
どのタイプを選ぶかによって、バイクの性能や見た目、乗り心地が大きく変わります。
オートバイのエギゾーストマフラー(排気系)は、エンジンの排気ガスを処理し、性能・音・環境への影響をコントロールする重要なパーツです。
2ストローク(2スト)と4ストローク(4スト)では、エンジン構造が異なるため、マフラーの機能・用途・特徴も大きく変わります。
2ストロークエンジンのマフラー
機能
- 排気ガスの排出だけでなく、排気波の反射を利用して吸気効率を高める(排気脈動効果)。
- チャンバー構造により、排気のタイミングと圧力を調整し、トルクと出力を最大化。
用途
- 高回転域での爆発的な加速性能を引き出す。
- レースやスポーツ走行向けに、ピーキーな出力特性を実現。
特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| チャンバー形状 | 膨張室を持ち、排気波を反射して吸気を押し戻す設計。 |
| 軽量 | 構造がシンプルで、素材も軽量なものが多い。 |
| 音量 | 高音で鋭い排気音。消音性は低め。 |
| セッティング依存 | 排気管長・形状・膨張室のサイズで性能が大きく変化。 |
| 燃焼効率 | 排気と吸気が混ざりやすく、未燃焼ガスの排出が多い(環境負荷が高い)。 |
4ストロークエンジンのマフラー
機能
- 排気ガスをスムーズに排出し、消音・浄化する。
- 排気抵抗(バックプレッシャー)を最適化して、トルク特性を調整。
用途
- 静粛性と環境性能を両立しながら、出力特性を安定化。
- ツーリング・街乗り・スポーツ走行など、幅広い用途に対応。
特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| サイレンサー構造 | 消音材(グラスウールなど)を内蔵し、騒音を抑制。 |
| 触媒搭載 | 排気ガス中の有害物質(HC、CO、NOx)を浄化。 |
| エキパイ径 | 細いと低速トルク重視、太いと高回転域重視。 |
| O2センサー | 燃調制御のために排気中の酸素濃度を検出。 |
| 重量 | 消音・浄化機構が多く、2ストより重め。 |
比較まとめ
| 項目 | 2ストマフラー | 4ストマフラー |
|---|---|---|
| 排気制御 | 排気波反射で吸気補助 | 排気抵抗調整でトルク制御 |
| 消音性 | 低い(高音) | 高い(低音〜中音) |
| 環境性能 | 低い(未燃焼ガス多) | 高い(触媒・O2センサー搭載) |
| カスタム性 | チャンバー形状で性能激変 | エキパイ径・サイレンサーで調整 |
| 重量 | 軽量 | やや重め |
2ストは「排気が吸気を助ける」設計、4ストは「排気を整えて燃焼効率を高める」設計。どちらもマフラーがエンジン特性を決定づける重要なパーツです。
主要国の排出ガス規制の概要
オートバイの排出ガス規制は、環境保護の観点から世界的に強化されており、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)などの有害物質の排出量を制限する基準が各国で定められています。
| 国・地域 | 規制名 | 最新基準 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 🇪🇺 欧州(EU) | EURO規制 | EURO5(2020年施行) | 世界で最も厳格。OBD義務化、PM規制導入、耐久走行距離の強化など |
| 🇯🇵 日本 | 自排専(自動車排出ガス規制) | 令和2年規制(2020年) | EURO5相当。CO/HC/NOx/PMの規制強化、OBDⅡ義務化 |
| 🇺🇸 アメリカ(EPA) | Federal Emission Standards | Tier 2(2006年以降) | 排気量別に規制。カリフォルニア州(CARB)はさらに厳しい独自基準あり |
| 🇨🇳 中国 | 国Ⅳ(China IV)→国Ⅴ(China V) | 国Ⅴ(2021年以降) | EURO4相当。都市部では早期導入。EV推進と連動 |
| 🇮🇳 インド | Bharat Stage(BS)規制 | BS6(2020年施行) | EURO5相当。キャブレター車の廃止、FI化が進む |
| 🇹🇭 タイ | EURO準拠 | EURO5(2021年以降) | ASEANで最も早くEURO5導入。都市部の大気改善目的 |
※OBD検査は、2024年10月より開始された、自動車の電子制御装置の故障を電子的に検査する新しい車検の仕組みです。従来の目視検査では見つけられなかった電子系統の不具合を、車載式故障診断装置(OBD)と専用のスキャンツールを用いてチェックし、故障コード(DTC)の有無で合否を判定します。
※FI化とは、フューエルインジェクション(FI)化の略で、エンジンに燃料を供給する装置を、機械式のキャブレターから電子制御式の燃料噴射装置に変更することです。キャブレターは機械的に燃料を噴射するのに対し、FIはコンピューター制御で燃料を霧状にし、エンジンの性能向上、燃費の改善、環境性能の向上が期待できます。
規制の主な内容(EURO5を例に)
- CO:1000 mg/km 以下
- HC(総炭化水素):100 mg/km 以下
- NOx:60 mg/km 以下
- PM(粒子状物質):4.5 mg/km 以下(直噴車のみ)
- OBDⅡ(車載故障診断装置):義務化
- 耐久走行距離:最大35,000kmまでの性能維持が求められる
規制強化の影響
- 車両価格の上昇:排ガス対策技術(FI化、触媒、OBDなど)の導入コスト増
- 小排気量車への負担:コストに対する性能比が厳しく、廃番モデルも多数
- EV・ハイブリッド化の促進:規制をクリアするために電動化が進む
- マフラー交換の制限:触媒付き純正マフラーの取り外しが規制対象に
日本の現状と今後
- 日本はEURO規制に準拠する形で制度設計されており、令和2年規制でEURO5相当の基準が導入済み。
- 今後はEURO6やEURO7への対応が求められる可能性もあり、電動バイクや水素エンジンなどの新技術が注目されています。


















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































