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スプロケット

スプロケット
画像はイメージです。

2025年10月17日

オートバイの「スプロケット」は、駆動系の中核を担う非常に重要な部品です。以下に、機能・用途・特徴を体系的に解説します。

スプロケットは、単なる歯車ではなく、バイクの性格を決定づける「走りの設計図」とも言える存在です。

 

スプロケットの機能

駆動系
図の左側の上部が駆動系

スプロケットは、エンジンの動力を後輪に伝える歯車です。チェーンと連動して回転力を伝達し、バイクを前進させます。

  • フロントスプロケット(ドライブスプロケット):エンジン側に取り付けられ、小型で高速回転。
  • リアスプロケット(ドリブンスプロケット):後輪側に取り付けられ、大型でトルクを受け持つ。

この2つをチェーンで繋ぐことで、エンジンの回転力がタイヤに伝わり、バイクが走行します。

用途と役割

スプロケットは、単なる動力伝達だけでなく、走行特性の調整にも使われます。

 

調整方法効果
フロントの歯数を増やす最高速が伸びるが加速が鈍くなる
フロントの歯数を減らす加速が鋭くなるが最高速が落ちる
リアの歯数を増やす加速重視のセッティングになる
リアの歯数を減らす高速巡航向きになる

※フロント1Tの変更はリア3T分に相当するほど影響が大きい。(「12-25T」のように表記される場合、「:25T」が歯数25枚であることを示します。)

特徴と種類

1. 歯数(T数)

  • 「14T」「45T」などで表記され、Tは「Tooth(歯)」の略。
  • 歯数の組み合わせでギア比が決まり、走行性能に直結。

2. 材質

材質特徴
スチール高耐久・安価・重い(寿命:約2万〜4万km)
アルミ軽量・レスポンス向上・摩耗しやすい(寿命:約1万〜2万km)
ハイブリッド軽さと耐久性のバランス型(競技用に多い)

※フロントスプロケットは強度が必要なため、基本的にスチール製のみ。

3. PCD(ピッチサークル径)

  • 取り付け穴の直径を示す規格。
  • 車種ごとに異なるため、交換時は適合確認が必須。

メンテナンスと交換時期

  • 摩耗チェック:歯の尖りや欠け、チェーンとの噛み合い不良があれば交換。
  • 交換目安:スチール製で2万〜4万km、アルミ製で1万〜2万km。
  • チェーンと同時交換が推奨:摩耗のバランスが崩れると駆動効率が低下。

カスタム用途

  • スプロケット交換は走行フィーリングを劇的に変えるカスタム手法。
  • 加速重視の街乗り仕様、最高速重視のツーリング仕様など、目的に応じて歯数を調整可能。

Posted by 夏木 陽