スプロケット

オートバイの「スプロケット」は、駆動系の中核を担う非常に重要な部品です。以下に、機能・用途・特徴を体系的に解説します。
スプロケットは、単なる歯車ではなく、バイクの性格を決定づける「走りの設計図」とも言える存在です。
スプロケットの機能

スプロケットは、エンジンの動力を後輪に伝える歯車です。チェーンと連動して回転力を伝達し、バイクを前進させます。
- フロントスプロケット(ドライブスプロケット):エンジン側に取り付けられ、小型で高速回転。
- リアスプロケット(ドリブンスプロケット):後輪側に取り付けられ、大型でトルクを受け持つ。
この2つをチェーンで繋ぐことで、エンジンの回転力がタイヤに伝わり、バイクが走行します。
用途と役割

スプロケットは、単なる動力伝達だけでなく、走行特性の調整にも使われます。
| 調整方法 | 効果 |
|---|---|
| フロントの歯数を増やす | 最高速が伸びるが加速が鈍くなる |
| フロントの歯数を減らす | 加速が鋭くなるが最高速が落ちる |
| リアの歯数を増やす | 加速重視のセッティングになる |
| リアの歯数を減らす | 高速巡航向きになる |
※フロント1Tの変更はリア3T分に相当するほど影響が大きい。(「12-25T」のように表記される場合、「:25T」が歯数25枚であることを示します。)
特徴と種類

1. 歯数(T数)
- 「14T」「45T」などで表記され、Tは「Tooth(歯)」の略。
- 歯数の組み合わせでギア比が決まり、走行性能に直結。
2. 材質
| 材質 | 特徴 |
|---|---|
| スチール | 高耐久・安価・重い(寿命:約2万〜4万km) |
| アルミ | 軽量・レスポンス向上・摩耗しやすい(寿命:約1万〜2万km) |
| ハイブリッド | 軽さと耐久性のバランス型(競技用に多い) |
※フロントスプロケットは強度が必要なため、基本的にスチール製のみ。
3. PCD(ピッチサークル径)
- 取り付け穴の直径を示す規格。
- 車種ごとに異なるため、交換時は適合確認が必須。
メンテナンスと交換時期
- 摩耗チェック:歯の尖りや欠け、チェーンとの噛み合い不良があれば交換。
- 交換目安:スチール製で2万〜4万km、アルミ製で1万〜2万km。
- チェーンと同時交換が推奨:摩耗のバランスが崩れると駆動効率が低下。
カスタム用途
- スプロケット交換は走行フィーリングを劇的に変えるカスタム手法。
- 加速重視の街乗り仕様、最高速重視のツーリング仕様など、目的に応じて歯数を調整可能。

















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































