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潤滑剤・作動油

潤滑剤・作動油

2025年10月2日

オートバイには、走行性能や安全性を維持するために潤滑油(オイル)や作動油(フルード)が必要な部位が多数あります。

それぞれの部品に適した油剤を使うことで、摩耗や故障を防ぎ、快適なライディングを実現できます。

 

潤滑剤・作動油が必要な主要部位と油剤

部位・部品使用される油剤主な役割・特徴
エンジン内部エンジンオイル(4サイクル)潤滑・冷却・清浄・防錆。粘度と規格が重要。
ミッション・ギア部ギアオイル高負荷・高温下での潤滑。粘度とAPI規格に注意。
ブレーキ系統ブレーキフルード(DOT規格)油圧伝達。高沸点・吸湿性に注意。定期交換必須。
フロントフォーククッションオイル減衰力調整。粘度で乗り心地や操縦性が変化。
チェーンチェーンオイル摩耗防止・防錆。シールチェーンか否かで選定。
クラッチ・アクセルワイヤーワイヤーオイル滑らかな操作性を維持。粘度が低く浸透性が高い。
レバー・ペダル類グリス(万能・モリブデン等)摩擦低減・操作性向上。部位に応じて種類を選ぶ。
サスペンションリンク部モリブデングリス高荷重・高温部に対応。耐久性が高い。
ラバー・シリコン部品シリコングリスゴムとの相性が良く、サビ防止・滑らかさを維持。

オートバイの各可動部には、それぞれの特性に合った油剤を選ぶことで、操作性・耐久性・安全性が大きく向上します。

 

ここでは、★印の各部位に適した油剤とその選定ポイントをわかりやすくまとめました。

それぞれの部位に合った油剤を選ぶことで、バイクの操作感が格段に向上し、トラブルの予防にもつながります。

 

各部位と油剤の選定ポイント

★チェーン

使用油剤:チェーンルブ(チェーンオイル)

選定ポイント:

  • シールチェーン対応かどうか(Oリング・Xリングなどを傷めないタイプ)
  • 耐水性・防錆性が高いもの(雨天走行や屋外保管に強い)
  • 飛び散りにくい粘度(ホイールやスイングアームを汚しにくい)
  • オフロード用は泥落ちが良いタイプ、オンロード用は耐久性重視

★クラッチ・アクセルワイヤー類

使用油剤:ワイヤーオイル、潤滑浸透剤(+ワイヤーグリス

選定ポイント:

  • 浸透性が高いスプレータイプで、ワイヤー内部まで届くもの
  • 防錆性・潤滑性が両立しているもの
  • ワイヤーインジェクターを使って注油すると効果的
  • グリス系は粘度が高く、長期潤滑に向くが注入しづらい場合も

★レバー・ペダル類

使用油剤:万能グリス、モリブデングリス

選定ポイント:

  • 耐摩耗性・耐水性が高いグリスを選ぶ
  • モリブデン入りは高荷重部に最適(クラッチ・ブレーキレバーの支点など)
  • ペダルの可動部には、汚れに強いタイプが望ましい
  • 定期的な清掃と再塗布が操作感を保つ秘訣

★サスペンションリンク部

使用油剤:モリブデングリス、高荷重用グリス

選定ポイント:

  • 高圧・高荷重対応のグリス(リンク部は強い力がかかる)
  • 耐水性・耐熱性が高く、長期間効果が持続するもの
  • オフロード車は泥や水に強いタイプが必須
  • 分解整備時にしっかり塗布することで、異音やガタつきを防止

★ラバー・シリコン部品

使用油剤:シリコングリス

選定ポイント:

  • ゴムや樹脂を傷めない専用グリス(鉱物系はNG)
  • 防水性・耐熱性が高く、密閉性を保つ
  • 〇リング、ダストシール、電装部品の防水処理にも有効
  • スプレータイプもあり、細部への塗布がしやすい

総合ケミカルメーカーブランド

WAKO’S(株式会社和光ケミカル

日本の老舗ケミカルメーカーで、バイク・自動車向けの高性能潤滑剤やメンテナンス用品を多数展開しています。

以下のように、各部位に対応した製品ラインアップが豊富です。

 

部位・部品WAKO’S製品例特徴
★チェーン部CHL(チェーンルブ)飛び散りにくく、シールチェーン対応、防錆性◎
★クラッチ・アクセルワイヤー類ラスペネ(浸透潤滑剤)浸透性・防錆性に優れ、ワイヤー内部まで届く
★レバー・ペダル類マルチパーパスグリース高耐久・耐水性で、可動部の潤滑に最適
★サスペンションリンク部モリブデングリース高荷重・高圧対応、リンク部の摩耗防止に効果的
★ラバー・シリコン部品シリコングリースゴム・樹脂に優しく、防水・密閉性に優れる

Posted by 夏木 陽