ツアラー

長距離走行・ツーリング仕様で、快適性に重きを置いているバイクを指す。
長距離かつ長日程をいかに楽にこなすための大柄な車体・ホイールベースと大排気量、巨大なカウルと安楽なポジションといった車体構成と、ラゲッジ面の充実した装備。
ツアラー(Tourer)の特徴と用途

「ツアラー」とは、その名の通り長距離のツーリング(旅)に重点を置いて設計されたオートバイのカテゴリーです。
長時間の運転におけるライダーとパッセンジャー(同乗者)の疲労を軽減し、快適かつ安全に移動できる機能が追求されています。
1. 機能の特徴(長距離走行の快適性・安定性)
ツアラーは、長距離移動の快適性と高速安定性を追求した設計になっています。
- 快適なライディングポジション:
- ハンドル位置が高く、ステップ位置が比較的低い、自然でアップライト(直立に近い)な乗車姿勢を基本とします。
- これにより、長時間運転しても手首や腰への負担が少なく、疲労が軽減されます。
- スーパースポーツのような極端な前傾姿勢は取りません。
- 高い防風効果(カウルとウィンドシールド):
- 大きな**フルカウル(フェアリング)や背の高いウィンドシールド(風防)を標準装備しています。これは走行風を効果的に防ぎ、高速道路での風圧による疲労や雨天時の濡れを大幅に軽減します。
- 高級モデルでは、電動で高さを調整できる可変ウィンドシールドが採用されることもあります。
- 大容量の燃料タンク:
- 頻繁な給油の手間を減らすため、比較的大きな燃料タンクを備えています。これにより、航続距離が長くなり、給油スポットの少ない場所でも安心して走行できます。
- 優れた積載能力:
- 車体には、大容量のパニアケース(サイドケース)やトップケース(トランク)が標準装備されているか、または簡単に装着できる設計になっています。これにより、宿泊を伴う長旅に必要な荷物を豊富に積み込めます。
- 直進安定性の重視:
- 一般的に車体が大きく、乾燥重量が重い傾向があります。この重量と車体設計により、高速走行時や横風を受けた際の直進安定性に優れ、安心してクルージングできます。
- 快適なシートとサスペンション:
- シートは広く、厚みがあり、乗り心地を重視した設計です。
- サスペンションは長距離走行での疲労を減らすため、路面からの振動を吸収し、快適な乗り心地を提供するよう調整されています。電子制御サスペンションを採用するモデルもあります。
- 電子装備の充実:
- クルーズコントロール(一定速度を自動で維持)や、先進のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、グリップヒーター、シートヒーター、オーディオシステム、スマートフォン連携機能など、長旅をサポートする豪華な装備が搭載される傾向があります。
2. 用途の特徴
ツアラーの用途は、主に長距離移動と快適な旅の実現にあります。
- 主な用途:長距離ツーリング、宿泊を伴う旅
- 高速道路を利用した遠方への移動や、何日もかけて様々な場所を巡る長旅に最適です。
- セカンド用途:日常の足、通勤
- 一部のモデルは、その安定性と快適性から日常の移動や通勤にも使われますが、車体が大きいため、市街地での取り回しや駐車スペースには注意が必要です。
- ライダー層:
- ロングツーリングを趣味とするライダーや、タンデム(二人乗り)で旅を楽しみたいライダーに特に好まれます。その豪華な装備と快適性から、高年層のライダーにも人気が高いカテゴリーです。
3. ツアラーの主な分類

ツアラーには、用途に応じていくつかのサブカテゴリーがあります。
| 分類 | 特徴 | 代表的な志向 |
| グランドツアラー | 車体が非常に大きく、豪華な装備と最高の快適性を追求したモデル。長距離のタンデム走行に最適。 | 快適性・豪華さ |
| スポーツツアラー | スーパースポーツに近い運動性能を持ちながら、長距離走行の快適性も両立させたモデル。ワインディング(峠道)も楽しみたいライダー向け。 | 快適性・スポーツ性 |
| アドベンチャーツアラー | ツアラーの快適性とオフロード車の走破性・耐久性を融合させたモデル。舗装路だけでなく、未舗装路も視野に入れた旅に対応。 | 汎用性・走破性 |

このように、ツアラーは「旅をいかに快適で安全にするか」に焦点を当てたオートバイです。


















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































